ここしばらく、格安SIMとの付き合い方や快適なWi-Fiスポットの見分け方など、ネットワークに関する記事が続いていますが、今回は意外と(?)知られていない、Wi-Fiを快適にする方法を一つ。
古いWi-Fi、新しいWi-Fi?
実はWi-Fiにはいくつか種類があるんです。ご存知でしたか?ここでは要点だけざっくりお話ししますね(詳しく知りたい方はググってください。たくさん出てきます)
正式には『IEEE802.11 ac/a,b/g/n』など呼び名がありますが、この稿ではわかりやすさ優先で『新しい』『古い』と呼びます。
機器毎の設定方法などは膨大すぎて触れられないので、この稿では『種類があるんだ!』という事を知っていただく事を目的にしています。
Wi-Fiには種類があります。
古いWi-Fi
最も古くからあるWi-Fiで、基本的にいま世の中のWi-Fi機器全てで使えます。
例えると…歩行者も自転車も原付も乗用車もトラックも走る下道・旧道のような感じでしょうか。
新しいWi-Fi
より快適な通信ができるように、新しく考えられた次世代のWi-Fiです。ただ、新しいために古いWi-Fi機器では使えなかったり、新しい機器でも技術やコストの都合で対応していないものがあります。
例えると…下道・旧道の交通量が増えて混雑してきたので新たに作ったバイパスや高速道路的位置づけ。快適に高速に走れるように、歩行者や自転車・原付などは進入禁止。125cc以上のバイクや乗用車しか走れないのと似ている。
Wi-Fi機器の有名メーカーのサイトでも説明されています。用語はありますが、併せてご覧ください。
http://qa.elecom.co.jp/faq_detail.html?id=5953(エレコム)
http://www.iodata.jp/product/network/info/base/kikaku.htm(アイ・オー・データ)
古いWi-Fiの長所
- 家の2階や隅まで電波が届く
- Wi-Fiが使える機器ならどれでも使える
新しいWi-Fiの長所
- 古いWi-Fiより速い通信ができる
- 使える機器が限られているので使っている人(ライバル)が少ない
- 電波のチャンネルが多いので混信・速度低下しにくい(道路に例えると車線が多い)
古いWi-Fiの短所
- 電波が飛びやすいので住宅密集地などでは混雑しやすい
- 電子レンジやコードレス電話・Bluetoothなど近い電波がたくさんあるので混信しやすい
- 電波のチャンネルが少ない(道路に例えると車線が少ない)
新しいWi-Fiの短所
- 近い範囲でしか使えない
- 壁や家具など障害物に弱い
- 使える機器が限定されている
- 屋内用と屋外用で使える電波が分けられている
目に見えない電波なのですが、基本的には車と同じ。多くの人が同時に使えば混雑(≒渋滞)してきて速度が落ちたり、さらに混んでくると通信できないほど止まってしまいます。
いかに空いた道を通るか、いかに空いた電波を使えるかが快適に通信できる肝になります。
新しいWi-Fiの使い方
親機・子機とも対応していないと使えません。
外箱や取説などには『IEEE 802.11 ac/a対応』とか『5GHz対応』…と書かれていたりします。
設定方法はそれぞれの機器で異なるので…一つひとつの説明は省きますが…
一例に親機となる私の手持ちWi-Fiルーターの画面を上げてみます。
LAN設定の項目に『2.4GHz/5GHz屋内/5GHz屋外』の表示が見られます。
ここで選択すると、それぞれのWi-Fiを使い分けられます。
また、スマホ側。残念ながら私のスマホは新しいWi-Fi非対応なので使えません。ただ、対応したAndroidならWi-Fiの設定画面から『自動』『古いWi-Fi固定』『新しいWi-Fi固定』から選んで使えます。
iOSは…iPhone・iPadとも新しいWi-Fiには対応していますが、どちらかに固定する方法はありません。その場の状況で自動的に選んで接続するしかできないようです。
値段だけで選ぶのではなく、これからの機器選びの際の参考にしていただければと思います。